【ヒラスズキルアー考察⑮】sasuke140真裂波を辛口チェックする!

sasuke120裂波が生まれて《20年》・・。

そんなsasukeが生まれた時はブログ主・・まだ高校生くらいで、当時はブラックバスやってた頃だったから、もちろん裂波を使ったことはなかったんだけど・・。

ソルトウォーターをはじめて10年・・。

この世界に入ってからずっと、このルアーに救われ続け「今」に至る・・。

それはもちろん、今から4年前に始めたヒラスズキ釣りにしても同じことが言える・・。

― sasuke120裂波でキャッチしたヒラスズキ ――

そう・・。

《キング・オブ・ソルトウォーターミノー》の代名詞は伊達じゃない・・。

時代の変遷により、数多の革新的ミノーが台頭し、数多のミノーが淘汰されても尚、愛され続けるミノー・・。

それがsasuke120裂波である・・。

そんなsasuke120裂波が2024年9月21日に「sasuke140《真》裂波」として、名前に「真」の文字が加わり継承されたことをご存知だろうか?

そう・・120mmから140mmにサイズ感を上げてリニューアルされたのだ。

ブログ主
ブログ主

あれ・・?

120mmは?

ima開発部篠塚氏の見解では、今(2024年)の段階では120mmの真裂波の開発予定はない・・と言っているので、間違いないだろう・・。

そんな、sasuke140真裂波を約1ヶ月の間ではあるが、ヒラスズキ釣りに使い込んでみた結果・・いろんなことが分かったので、ヒラスズキ釣りに焦点を当てて多角的にインプレッションしてみようと思う・・。

裂波シリーズ3種類のスペック比較

まずは、スペックを視点にそれぞれの違いを書いてみようと思う・・。

裂波のシンキング版の裂風モンスター用の剛力は省いているが、これが裂波シリーズ3種類のスペックである・・。

種類sasuke120裂波sasuke140裂波sasuke140真裂波
画像
全長120mm140mm140mm
重量17g20g23g
タイプフローティングフローティングフローティング
動きウォブンロールウォブンロールウォブンロール
レンジ70〜90cm60〜100cm60〜100cm
MRD非搭載非搭載搭載
リング#3#3#3
フック#6#3#4
適正干潟・河口・河川・サーフ
・磯・オフショア
干潟・河口・河川・サーフ
・磯・オフショア
干潟・河口・河川・サーフ
・磯・オフショア
誕生日2004/9/212008/6/212024/9/21

この表で見た感じ、一番の違いは裂波シリーズの中でsasuke140真裂波になって初めてMRDシステム(マグネット・リバウンド・ドライビングの頭文字)という、磁力の反発する力を利用して、重く後方に傾いたウェイトを強制的にデフォルト位置へ戻す重心移動システムを搭載していることだろうか・・。

これで、どう変わるのか・・については詳しく後述していくこととなるが・・。

最たる違いは「球」から「磁石」に重心機構が変更されている点・・ではないかと僕は思う。

それに、ウエイトの方も、120裂波から6g(サイズが上がった分当然?)・・サイズ同一の140裂波から3gもプラスされている点や、sasuke140裂波と比べてみると、デフォルトフックが1番手下がって4番となっている点等々・・多少の変更点はあるものの、これについてもしっかり切り込んで行こうと思う。

裂波シリーズ3種類のアクション比較

アクションを定義する上で重要なワードとしては、「ウォブリング」「ローリング」だろうか・・。

ウォブリングは自分の頭を、水平状態から右へ向けたり左へ向けたりする動きで、ローリングは自分の頭を水平状態から左右に首を傾げるような動きのことを言う・・。

そして、このウォブリングとローリングを組み合わせたアクションをウォブンロールと言うのだが・・。

このウォブンロール・・ウォブリングとローリングの比率によって全く違うアクションとなるので、ひとえにウォブンロールと言っても、多種多様に富んでいることは知っておいて欲しい・・。

もちろん、このsasukeシリーズ3種のアクションはウォブンロール・・。

本来なら進化元のsasuke120裂波と比較するべきなんだけど、サイズが違うので、当然・・皆がみんなsasuke140裂波と比較しがちになってしまうのだが、それは間違いである・・。

冒頭でも紹介したが、sasuke140真裂波のアクションは、sasuke120裂波のアクションに寄せて進化を遂げているのだ。

つまり、sasuke120裂波とsasuke140裂波は《アクションが全くの別物》ということ・・。

ブログ主
ブログ主

そう・・。
単にサイズアップではないのです!

案の定・・140裂波(ローリング寄りのウォブンロール)のアクションが好みなブログ主・・。

140裂波と比較してしまって、「えぇぇえっぇぇ・・」と落胆したところではあるが・・。

詳しく書くと、sasuke120裂波がウォブリングもローリングもする滑らかなウォブンロールに対し、sasuke140裂波はローリング寄りの大人しめのウォブンロールになっている。

公式の方では、ウォブリング(W)とローリング(R)を比率化しており、sasuke120裂波がW:R=5:5、sasuke140裂波が3:7、sasuke140真裂波が6:4となっているようで、真裂波はウネウネとウネリながらバタバタするアクションになる・・。

従って、sasuke140裂波では釣れる環境なのに、sasuke140真裂波では反応が得られない・・。

ということが往々にしてあるんじゃないかと僕は思う・・。

sasuke140真裂波のココが凄い!

ココでは真裂波へと、昇華を果たしたsasuke140真裂波の良いところを書いてみようと思う・・。

着水直後の立ち上がりが抜群に良い!

これぞMRDの恩恵と言っても過言ではないだろう・・。

磯ヒラにおいて、この恩恵は計り知れないと思う・・。

その理由を書いてみる・・。

まず、ルアーには固定重心タイプ重心移動タイプに分けられる。

自分自身が一概に言い表せるほど使いこなせている訳ではないので雑な説明にはなるが、固定重心タイプは飛距離が出ない代わりに、アクションやスイム姿勢が絶妙・・なのに対し、重心移動タイプは飛距離が出る代わりにレンジやアクションのブレ幅が広い・・。

他にも強度や安定感の違いなんかあって、本当に一言では言い表せられないんだけど、兎にも角にも爆風〜強風環境の荒磯でアプローチする我々磯ヒラ師にとっては、飛距離は重要なファクターである。

気象・海象等の数多の条件によりけりではあるが、「固定重心」では近距離戦しか通用しないが、重心移動搭載では中距離戦でも活躍出来ることが往々にしてあり、だからこそ、対磯ヒラ戦で重宝されるのは重心移動搭載のミノーだと言えるだろう・・。

そんな重心移動タイプには「球」の重心移動システム「磁石」を利用した重心移動システムに分けられ、ここから本題に入るのだが・・。

球の場合・・トゥイッチや巻きを入れて球をデフォルト位置へ戻す必要があって、球がデフォルト位置へ戻らず後方にある場合メーカー本来のアクションやレンジを刻むことが出来ない・・。

もちろん、それでも泳ぐので、リアに重心が寄った状態で魚を掛ける猛者もいるのだが・・。

これ・・荒波の環境の場合、アップからのアプローチだったら特に問題もなくトゥイッチせずとも巻きを入れるだけで戻るのだが、爆風やダウンからのアプローチの場合・・どうしても球が戻らず尻下がりの姿勢(重心がリアに寄っているので)でレンジが入らず水面を滑って場を荒らすことが多く、こういう場合、着水直後から重心が戻っている磁石の重心移動が重宝するのである・・。

つまり、磁石は球の次世代型重心機構と言えるのかもしれない・・。

悪く言えば、磯ヒラのアプローチを簡単にしてしまっていることと言い換えることになってしまうのだが・・。

ただ、磁石の場合・・重心がブレないので、不規則なアクションが発現し辛く、巻きでオートで食わせの間を演出し辛いルアーになるという弱点がある。

つまり、タダ巻きでイレギュラーが出しにくく巻きで喰わせ難いということに繋がるのではないだろうかと思う。

ただ、「球」のミノーでは強烈なダウンストリームに太刀打ち出来ないような状況でも使えるミノー・・として、「磁石」の有用性は高いと思う。

ミノー屈指の圧倒的飛距離!

「あっマジでぶっ飛ぶ・・」と、自分も感じているけど、自分の周りの人も「マジで飛ぶ・・」と口を揃えて言うので間違いないと思う・・。

横風にも向かい風にも負けずにマジでぶっ飛ぶミノー・・それがsasuke140真裂波・・。

―― なかなかミノーでは届きにくい射程から出したヒラスズキ ――

見た目は、140裂波より少しファットに見える140真裂波・・。

このシルエットのせいで、140裂波より飛ぶのか?と思ってしまうが、140裂波より10m以上は飛ぶしリップレスミノー群の中で一番ぶっ飛ぶミノーなのではないだろうかと評価している。

プラグ系ルアー群の中ではヘビー系のシンペンにはもちろん飛距離は劣るが、今までシンペンにしか届かなかった射程圏をミノーが侵害するくらい飛ぶので、持ってて損はないと思う。

驚異的な安定感!

ミノーには適切なスイム幅・・というものがある・・。

要はキレイに泳ぐリトリーブ速度域のことで、一概に線を引ける訳ではないがリップレスは低速域に強くリップ付きは高速域に強いのがスタンダードな特徴・・。

猛者はそれぞれのスイム幅の両端・・つまり低速で泳がなくなる速度域と高速で泳がなくなる速度域・・というのを熟知していて、それをリトリーブ中・・流れに当てて速度域を外すことによって可変させてスズキを釣る・・っていうアプローチする人間が存在するくらい、1つ1つのルアーのスイム幅を知っておく・・というのは重要だ。

トドのつまり、リトリーブが低速幅に強いミノーは高速域に弱く、リトリーブが高速幅に強いミノーは低速域では泳がない。

では、このsasuke140真裂波のスイム幅はどうなんだろう・・と思い、いろんなシチュエーションで試してみたが全速度域に対応しており、もちろん超低速域ではヨタヨタと泳ぐのだが、低速でも高速でも破綻せず、ダートもジャークも器用にこなす。

―― 連続トゥイッチで反応させた大チヌ ――

良い意味でも悪い意味でも破綻しにくいルアー・・それがsasuke140真裂波。

この安定感のおかげで、トゥイッチやジャークにも対応出来るので、いろいろ技を使って釣るのも面白いと思える。

sasuke140真裂波の弱点・・。

ここでは、sasuke140真裂波の悪い点を書いていこうと思います。

重心が太く、崩れない・・。

これが、MRDのデメリット・・。

というか、メリットの方が多過ぎるのだが・・。

MRDになって、ウエイトを重く背負えるようになってアクションが崩れなくなった・・。

どうして崩れた方が良かったのか・・というと、僕たち・・釣り人は自分で考えて釣ってるようで多分釣れてはいない・・。

もちろん、入れるレンジやサイズ感・・アクションやラインコントロールといったものは自分自信・・ではあるが、所詮・・それは喰わすまでのフォローである。

《そこにルアーを運んで》、最終的に喰わすのはルアーのアクションの仕事・・。

そんな喰わす役目を果たすルアーは、徐ろにアクションが崩れた瞬間が喰わせの間になる・・と思っており、安定感抜群の破綻しにくい真裂波はタダ巻きでは喰わせにくいルアーだと考えている・・。

その不安定さを武器にアプローチしていたアングラーは多いだろう・・。

自分もそうだ・・。

sasuke140真裂波には不安定さがない・・つまり、どんな局面でも安定していると思っていて良いと思え、その安定感を利用してアプローチする必要がある。

汎用性が高すぎる故・・。

約1ヶ月・・。

結構な頻度で使っているし、「アップ」でも「ダウン」のどちらでも掛けてるし、ミノーとしての「射程圏」も広がったことで、普段はシンペン投げるようなシチュエーションでも真裂波でヒラスズキを掛けているが、結構バレてる・・。

これは、決してバラしやすいルアーとか・・そういうことではなくて、完全に自分のミスでもあるのだが・・。

バラしている状況としては遠距離〜中距離のダウン〜ダウンストリームの条件でバラしている・・。

その理由としては、単にドラグ設定の問題かと思われるのだが、それの他に140mmサイズということもあって、結構・・大きめのサイズが掛かっている印象・・。

ヒラスズキの初手として、反転直後は流れに乗って走るのが常である・・。

やはりデカいとパワーが強くアワセが効いてるかと言われれば微妙・・。

さらに、基本的にヒラスズキの掛かり方は外掛かりなので、パワーによる身切れでフックアウトしているのではないかと感じている。

要は、普段掛けられないような強いダウンの流れでも立ち位置気にせずに掛けられているのに、こちらの対策不足でバラしているのではないかと・・。

しばらく失敗ばかりしていたが、ようやくドラグ設定・・に気がついて、バラシ率も減りヒラスズキを取れるようになった。

根や瀬を躱す為にドラグをきつく絞るパワーファイトをするのがヒラスズキのファイトスタイルかもしれないが、強烈なダウンストリームで魚を掛けた場合は身切れする可能性・・等も鑑みてドラグ調整等の術を身に着けておいた方が良いだろう。

類似ルアー

ここでは、ちょっと違うけど、それなりに似ているルアーを紹介しようと思う。

サイレントアサシン140F

王道ルアーの1つ・・それがサイレントアサシンシリーズ・・。

もちろん、コチラはリップ付きのミノーになるので、リップレスミノーの真裂波に比べて艶めかしいアクションは出来ないものの、ジェットブースト(旧ARC)という磁石搭載の重心機構も相まって「飛距離」「立ち上がりのレスポンスの速さ」「巻きの安定感」は間違いない。

真裂波と比べアサシンの方が浮力が高く、デッドスローの適正はないので、「流す」や「漂わす」・・というアプローチは条件次第・・と言えるが、最近・・このアサシンシリーズがめちゃめちゃ安く真裂波よりも1,000円以上安く買えるのは、かなり魅力的かも・・。

SLSZ バーティスR 140F

こちらも王道ルアーの1つ・・ショアラインシャイナーZシリーズのバーティスRの140F・・。

サイレントアサシンがリップ付きなのに対し、コチラはリップレスなので、sasuke140真裂波と似ていて低速域でもしっかり泳ぐ。

真裂波・サイレントアサシン同様・・マグネットによる重心機構なので、立ち上がりの良さは抜群で、爆風でもレンジを入れることが可能・・。

このバーティスRに「SSR」というリップ付きのシャローモデルがあり、磯ヒラではそちらをメインに使う人が多いと思うが、それはそれで真裂波とは違ったタイプになるので、割愛する。

総評

いろいろと書いてみたが、まとめてみるとこんな感じ・・。

・ 良いところ

 ★ ミノーの中では最高峰に飛ぶ!

 ★ 爆風・荒波でもレンジが入りやすい!

 ★ 超低速〜高速と適応範囲が広い!

 ★ 全体的に安定感が凄い!

・ うーん・・なところ

 ○ イレギュラーアクションの発動が少ない・・。

 ○ 自発的にイレギュラーを演出させる必要あり・・。

 ○ 射程・流れへの汎用性が高いが故、ドラグ設定重要・・。

そんな、sasuke140真裂波の総合評価はコチラ・・。

飛距離
 (4.5)
飛行姿勢(精度)
 (5)
デッドスロー(ウォブンロール)
 (3)
ノーマル(ウォブンロール)
 (3)
ファスト(ウォブンロール)
 (3)
立ち位置適性(低い足場)
 (4.5)
立ち位置適性(高い足場)
 (4)
ドリフト適性(アップクロス)
 (4)
ドリフト適性(ダウンクロス)
 (4.5)
パイロットルアー適性
 (5)
総合磯ヒラ適性
 (4.5)

ということで、総合磯ヒラ適性は4.5・・。

めちゃめちゃ飛ぶし、足場をあまり選ばないし、アプローチの立ち位置をそこまで気にすることなくレンジが入るし、いろんなリトリーブ速度に適応するし、本来なら「5」と評価してもおかしくはないのかもしれないが、この使いやすさは釣り人を下手にしてしまう可能性があるので、その人の将来性を鑑みて星半分落としてみた。

とにかくイレギュラーが出ない。

だから、巻きだけでは釣りにくい・・。

僕たちは、必然と知らないうちにルアーのイレギュラーに支えられてたんだな・・と改めて実感するレベルでsasuke140真裂波の安定感の広さは半端ない。

こればかりは、波に当てたらスライドしつつ弱めのウォブンロールのsasuke140裂波の方が圧倒的に良い・・。

そんな、sasuke140真裂波・・。

一言でまとめてみると・・。

超絶お利口さんな優等生ルアー!

そう思う。

それでは、また今度・・。