周りが、こんなハードな状況でヒラスズキをバンバン掛けているのに、右足の剥離骨折のせいで何も出来ない自分に自己嫌悪・・。
それは《釣り》に行けないストレスなのか・・。
それとも、《同じ空気に浸れない》疎外感なのか・・。
とにかく、モチベーションの喪失と磯に背を向けて、家にひきこもる弱い自分が嫌で嫌でたまらない。
出入り口のない迷路のような負のスパイラルは、考えれば考えるだけ堕ちていく・・。
解決するのは簡単だ。
粘着質に纏わりつく、この迷いは磯に行くだけで霧散するように晴れるのだ。
それが分かっているのに行動に移せないのは、怪我をしているからであって、早く完治させたいからであって、浪費を抑えて何か新たなアイテムでも買おうと画策しているからである。

― 釣りに行かないことで入手出来たアイテム ―
あの人との厳冬期の約束も・・。
来年に流してしまえばいい・・。
流せないから悩んでいる。
悩みから逃げるように、仕事に集中する。
どこから手を付けたらよいか分からない程の仕事の量に奔走する行為は、どんな状況でも楽しさを見出そうとする性質によって絶望よりも楽しさが勝つ。
それでも、何かが違う違和感が付き纏う。
違う違う違う・・。
めんどくせぇ・・。
耳鳴りのような思考にはもう飽きた。
釣りが成立しなくとも良い・・。
とにかく、磯に立つ。
釣行記録
分かっていたが、磯に向かうだけで心が晴れた。
それなりに追い詰められていた精神状態が、雁字搦めに絡まった思考の糸のようなものが溶けるように、閉塞感を感じていた空間が広くなり浄化されていくのが分かる。
さて、今は厳冬期・・。
昨年の厳冬期では、何も出来ずにフルボウズの記録を重ね、水温計測のデータだけが集まるだけの不毛の磯へ立ってみる。
呼吸をしながら、昨年の絶望を呼び起こしながら、昨年の続きをやってみようと思う。
まずは反省から・・。
おそらく、というかそもそも・・僕は《スタート》の時点で間違えている。
ちゃんと厳冬期を学ぶべきだった。
ちゃんとヒラスズキが釣れるフィールドに入って、ちゃんと釣るためのパターンというか、そういった類のモノを学ぶべきだった。
それをやっていないから、暗中模索のアプローチを繰り出すことしか出来ず、秋と春のアプローチでしか攻めることしか出来ずに立ち往生の渋滞をしている気がする。
けれども、昨年実践したゼロをイチにするような模索は嫌いではないし、模索の結果ゼロのままで終わったとしても、その過程が生き続けることは知っているので、これはこれでメンタルの消耗は激しいが、それで良い気もする。
でも、無限ではない。
ヒラスズキをクソジジイになるまでやる・・っていう意志はあるけれど、怪我をしたことによって改めて有限だということを実感した。
まぁ・・怪我をしたのは磯ではなく家なんだけど・・。
とにかく、この怪我を経験して、ずっとヒラスズキをやれる訳ではない・・という意識が芽生えた。
限りある時間の中で、どのようにしてヒラスズキと向き合うか・・。
それについては、今後の課題・・として脳内へ持ち帰ることとなるが、上手になりたい!と願うなら釣れる場所に行こうと思うし、現状維持なら今までどおり自分のペースで楽しむだけだし・・いろいろ考えてみたいと思う。
この磯では、まさかの1尾キャッチ・・。
フルボウズを覚悟していただけに、自分が上手になった・・というよりは、磯の環境が変わったかに思える・・。
ヒットルアーはコモモⅡ・・。

― 厳冬期1尾目は、このフィールドでは大きめのヒラスズキ ―
それなりに、たくさんのルアーを使ってはいたんだけど、一番信頼のあるルアーに立ち返ってみて、この日唯一の反応をモノに出来た。
アプローチ的には、追い風を使ったバックドリフトからの反転で、その途中で波が来れば破綻していたアプローチだっただけに、奇跡的と言っても過言ではないだろう。
それを可能にしたのは、比重重めのPEラインの導入・・。

― ピットブルからレジンシェラーに切り替えてみた ―
まだ、このラインの特徴を掴めていないので言語化は避けるが、このヒットは水に入りやすいPEラインだからこそコモモⅡが浮かずに絶妙なレンジをヨロヨロと泳いでいたに違いないと感じている・・。
このラインを紹介してくれた友人Kに感謝である・・。
この奇跡の1キャッチ&リリース後は、二兎を追わずにストップフィッシングにした訳だが、帰宅後・・まさかF氏から尻を叩かれるとは想像すらしていなかった・・。
それでは、また今度・・。