いつ終わる・・。
いつ終わってくれるんだ、この生ぬるい苦痛は・・。
もしや・・ヒラスズキをキャッチするまで続くのか・・。
口に出したとおりに《焦がれた願い》が叶うかどうかもわからない・・。
むしろ、圧倒的大多数において人生の中で叶わない。
そんなことは自我が芽生えた段階で承知済みだ。
けれど・・、まるで宣言するように言葉に乗せてしまえば・・。
もしかしたら、少しでも「目標」に近づけるのではないか・・。
何の説得力もない拙い希望ではあるが、そんなことに縋っても良いじゃないか・・。
僕は厳冬期のヒラスズキを福岡で釣る・・と宣言し、11連敗を喫した・・。
思い描いた環境(主に仕事のこと)を整えられることが出来ず、これにより行きたいフィールドへ行けなくなってしまい、釣行プランを大幅に下方修正するしかなかったものの、それでも磯へ通い続けた。
それでも・・。
それでもだ・・。
厳冬期の釣りは、《そういうこと》だと自覚していたけれど、今の自分ならどうにかなるのではないか・・と思い違いをしていた部分も確実にあるが、まさか・・ここまで連敗を重ねるとは思いもしていなかった。
そして、自分のストロングポイントと考えていた想像力を起点とした語彙力やその他諸々の言葉や思想の類が、敗北の連鎖によって圧倒的な暴力へと生まれ変わり自分に返ってくるなんて・・、ここまで地獄が続くとは思いもしなかった・・。
秒単位の絶望は、
それは確実に日々の自分の中身を少しずつ蝕んでいく・・。
このブログのように。
ここ最近いきなり陰鬱な方向の純文学的テイストに切り替わってしまった当ブログ・・。
釣れるかどうか分からない厳冬期の福岡ヒラスズキを追い求めた結果の成れの果て・・。
しかし、この絶望感と敗北感ではあるが、最初は戸惑っていたものの、最近では慣れてそれが当たり前になってきた(笑)。
それは、決して諦めている訳ではないし、次の釣行で釣れるかどうか分からないところではあるし、僕の遥か彼方先を突き進んでいる友人Kが自問自答を続けている《釣りに終着点はあるのか・・?》という題目的な側面も持ち合わせていると思うが、僕は初めて知った・・。
その分からないことが希望なのだと・・。
今回は、その微かに揺れる光に導かれるように。
僕の原点である離島に行ってヒラスズキを狙ってみたので、いろいろと書いてみようと思う。
CONTENTS
帰る場所がなければ冒険は出来ない。
帰る場所がなければ、ただの迷子だ。
自ら取捨選択を間違え(前の記事参照・・)、迷子の道を一直線に突き進み、11連敗・・。
それは、しばらく刺さったままの失敗の棘。
大切な痛みを携えながら、ようやく掴んだ離島釣行のチャンス。
選択肢は1つ。
自分が初めてヒラスズキに魅了された島へ行く。
この離島には1月中旬以降行けていない・・。
確か、その時にはヤズとヒラスズキをキャッチしたはずだが、この1ヶ月の間の変化については全く掴めていなかった。
あの頃も適水温を下回っていたが、今回の釣行ではあれから1度ほど低くなっており、正しく釣れるかどうか分からない。
だからこそ行ってみた。
潮汐:大潮(11:00満潮↘16:59干潮)
天気:曇
気温:10℃
水温:13.9度
風 :北4⇒6m
波高:1.5m
予報では、こんな海況ステータスだったが、ほとんどの時間が生憎の雨で、爆風だった・・。
起床・・。
昨夜の天気予報では降水確率20%の曇予報ではあったが、普通に雨がしとしと・・という感じで降っていた。
予報のとおり徐々に天候が回復してくれるだろうと考えていたが、準備を整えて出発するタイミングでも、フェリーが出港するタイミングでも、島へ渡ったタイミングでも雨が降っており、案の定・・磯にエントリーした時にも雨が降り続いていた・・。
表層だけかもしれないが、確実に水温は低下しているだろう・・。
実際に計測してみると13.5度・・。想像よりも0.5度ほど低かった。
ただ、波の高さは丁度良く、それに波の間隔もそれなりに長かったことだけは唯一の救いだろうか・・。
いざ、スタートフィッシング・・。
先発はコモモⅡ・・。
もし、ここにヒラスズキが居るのなら絶対に喰ってくるだろう・・。
第1投目は見事にイメージどおりのキャストに成功し、ラインコントロールもしっかり決まった。
それでも・・以前の釣行で、付き場と分かっているコースを引いてもヒラスズキが反応することはなかった。
そして、第2投・・第3投・・と少しずつ立ち位置を変えて角度を変えたりロッドワークで若干レンジを変えてみたものの反応は皆無。
ここから、自問自答の負の連鎖へゆっくりと堕ちていくこととなる。
―― 付き場とは何だ。 ――
そもそも、その付き場となっていたピンは秋のシーズンであって、厳冬期のシーズンでも付き場と成り得ることはあるのか?それに、厳冬期でも同じレンジでヒラスズキは反応するものなのだろうか・・。
ヒラスズキの世界に入り、3年目・・。
今まで、仕事が忙しかったり、いろんな諸事情が絡んで釣りにさえ行けなかった厳冬期のシーズン・・。
3年目にして、ようやく掴んだ厳冬期のヒラスズキを狙う・・という意志と敗北の数々は、また1つヒラスズキ釣りの知らない扉であって、未知過ぎた。
そんな自問自答をしながら、コモモSF−125(3代目)でレンジを下げてみたり、コモモ125カウンター(3代目)でさらにレンジを下げてみたり、サスケ140裂波でアクションを変えてみたり、ゾンク120をチョイスして普段入れないレンジを探ってみたり、もっと深くレンジを入れるべくセットアッパー125S−DRに変えてみたりと、主にレンジを変えていく作戦に打って出るも不発・・。
迷走している・・。
どこで何を間違ったのかさえ分からない。
まもなく厳冬期を迎えようとしていた12月のあの頃にあったはずの満ち満ちた自信は、完全に失われていることに気がついた。
釣れないことの連続が、これほどまでにアプローチを下手にさせていくのか・・。
開始30分が経過した頃合いで、一度止んだ雨が大粒の雨になって降りはじめ、さらにゴロゴロと真っ黒な雲を連れて近づいてきたこともあって、一時撤退・・。
雨風を充分に凌げるほどに鬱蒼と草木が生い茂る森の中で雷鳴が消え去るのを待ったものの、かなりの時間・・止むことはなかった。
その間、1時間強・・。
このまま、後半戦に突入することとなった。
雨は上がった・・。
残り時間は2時間を切る・・。
夜勤のため、4〜5時間ほどしか釣行時間を設けられなかったことや、前半を雷のせいでほとんどアプローチが出来なかったこと、前半で何かしらの反応を得られなかったことが追い討ちをかけるように焦燥感が募った。
一層のこと、雷鳴が轟いている状況でもアプローチしておけば良かったのか・・。
いや、危険を犯してまでアプローチする必要はないはずだ。
自己矛盾の酸欠に藻掻き苦しみながら、後半戦が始まる。
それなりにメンタルを回復させてリスタートしたものの、前半同様・・せっかく、自分が1番知っているフィールドに入っているのに、判断や思考に迷いがあって、ランガンやアプローチ、ルアー選択といった判断が鈍い。
総合して全てが曖昧で、まるで初心者の頃の自分に戻ったような感覚だ・・。
それでも、考えることを止めぬように、鈍さに慣れぬように努める・・。
もはや、今日も今日とて楽しみを求める釣りではなくなってしまった。
すでに思考回路はショートして麻痺している。
何を見ても何を考えても笑いだしたいような気分になる。
下げの潮が効き始めたタイミングで、今日・・まだ一度もアプローチしていない立ち位置に入った。
上げ潮では潮が当たり過ぎて、良いセットが入っても、なかなか払い出したサラシが沖に伸びていかない状況ではあるが、複数のシモリが点在するゾーンにまでサラシが伸びている今なら、何かあるのかもしれない。
ルアーはゾンク120。
本当はコモモやコモモⅡといったシャロー系を使いたかったが、波がそれなりにぐちゃぐちゃしていることや、ダウンストリームの流れが強過ぎること・・、さらに横から吹き抜けてくる強風といった状況下では狙ったコースを引けないと判断してゾンクを選んだ。
その第1投・・。
少し潜り過ぎか・・?と半信半疑でリトリーブしながら喰ってくるならこのあたり・・と、ラインを見ながらシモリの上を通過させていたところ、微かにティップが入ったものの、アワセに至らず。そして、そのまましばらくリトリーブを続けているとしっかりと重みが乗ってヒットに持ち込む。
ファーストランの段階で青物確定・・。
体感、60cmのヒラスズキでもドラグがジジジ・・くらいしか鳴らない設定のドラグが悲鳴を上げる・・。
とりあえず、ロッドを立ててランが止まるのを待って、攻防開始・・と思いきや、1〜2のポンピングした途端にセカンドランに遭う。
この間、ゾンクのフックをHの6番(スプリッドリングは3番)に不安を憶え、ドラグをキツく締めない程度に絞り、ランが止まることを待ったが、ロッドから根ズレの反応があり、どうしようか迷っている刹那にラインブレイク・・。
ヤズが掛かるかもしれない・・と思っていて、普段はナイロンの40LBを使っているがフロロの45LBに切り替えてはいたが、まさかヒラマサ(多分)が掛かるとは・・。
ここで、貴重なメガバスルアーであるゾンク120を失う・・。
ノットを編み込んだり、集中力を切らさない為にも食事を挟んだりして場を休め、再び同じ立ち位置に入ってみた。
選んだルアーはコモモ125カウンター・・。
カウンターはノーマルと違って海水サスペンド仕様となっており、リトリーブすればノーマルよりも深く潜る性質ではあるが、風を使って流してみると一定のレンジをスローに漂わせることが可能で、ここに食い渋っているヒラスズキがいるのであれば、スローなアクションで食わせられるのでは・・と思い選んでみた。
先程は、沖に出るサラシの払い出しをダウンストリーム気味の巻きで青物の反応を得た。今度は、ラインスラッグを出しながら風と波を使ってのバックドリフトでアプローチ・・。
その3投目・・。
巻いていないので、カウンターは表層直下を視認できるほどの連ぃで漂っているところを、横からバシュっと黄色い線の入ったアイツに掻っ攫われた。
またしても青物・・。
ドラグを先程よりも絞っている分、最初は体勢を崩されたものの、後方重心に立て直しロッドを立ててファーストランが止まったところで、今度はパワープレーで応戦開始。
魚はもちろん暴れる。推進力を与えてしまうと多分負けるので、少しでもコチラ側に魚の頭を向けながら、超ショートポンピングで寄せていくものの、それでも負けてしまい、結局・・走られて根ズレによりラインブレイク・・。
新品卸したての・・写真すら撮っていなかったコモモカウンターを失う・・。
時間が刻々と過ぎていき、ストップフィシングまで残り20分を切った・・。
ニキに貰ったコモモSF125(3代目)を使って、このフィールドにある幾つかの払い出しを丁寧に立ち位置を変えながらトレースラインを変えて狙い撃つ。
時折、セットを待てない自分に気がついて、集中力が切れていることを自覚して、この場所はダメだと思って別の払い出しのある立ち位置に移動した。
ルアーチョイスをいちいち考える余力すら残っていない状況に陥っていることに腹が立つ。だから釣れない。敗北に慣れてしまっている自分に嫌気が差す。
でも、ニキから貰ったルアーなら・・。
その第1投・・。
思いの外良いセットが入って、どこに投げても一面真っ白なタイミングになったので、今までよりもオープンなアプローチでサラシの流れをアップクロスに流していると、真っ白な面が割れた瞬間に重みが乗ってヒットとなる。
引き味的に青物ではない。だったらヒラスズキだ。そして、このパワーは大型だ・・。
攻防の末、寄せてみるとヒラスズキではなくナナマルほどのマダイで、コモモのリア部を飲み込むように喰ってくれているのでフックアウトの危険はなさそうだった・・。
ぶり上げは難しい場所で掛けたので、ランディングはリーダー掴んでからの抜き上げとなるので、リーダーに手を掛け、抜き上げようとしたところパキっという音がしてマダイが逃げていく・・。
コモモのボディが真っ二つに割れていた・・。
これにてストップフィッシング・・。
ヒラスズキからの反応を取れずに12敗・・。
今回も釣れていないので割愛・・。
毎回毎回、魚からの反応はあるものの、キャッチまで至らないのは僕が呪われているからなのだろうか・・。
今回に至ってはヒラスズキからの反応を1度も得ることも出来ずに終了してしまっただけに悔しさが半端ない・・。
次・・いつ離島へ行けるのか定かではないが、なるべく早く・・厳冬期が終わってしまう前にエントリーしたい・・。
それでは、また今度・・。