叶わねぇ・・。
届かねぇ・・。
少しでも追いついたつもりでいたけれど・・。
それは、ただの幻想であり錯覚であり、ただの思い込みであった。
烏滸がましくも彼の隣に・・若しくはちょっと後ろに位置出来てたら良いな・・的な甘い理想を携えて対馬の地を踏みしめた自分を呪ってやりたい・・。
それ程の恥ずかしさに、今・・両ニキとK君を見送りながら僕の内部・・つまり心はボロカスに燃やされていた・・。
実像と虚像の落差・・見えぬ距離感・・。
いや・・、あの日・・あの時自分の尺度で計測した彼の存在位置を単純に見誤っていただけなのかもしれないが・・。
過ぎ去ってしまって分かること・・。
世の中・・これが圧倒的に多過ぎる。
つかえる胸・・。
無力感・・。
磯濡らす通り雨・・。
溢れ出すバトルの余韻・・。
総じて楽しかった・・。
けれども、個人的には反省だらけでヒラスズキの反応を3度(1バラシ・1誤爆・1見切られ)しか取れなかった訳である・・。
トドのつまり1キャッチも出来なかったのだ。
そのことが非常に悔しい・・。
ラインを替えて、ロッドを替えて、近距離以外に中・遠距離でも魚を掛けられるようになって・・。
ここ直近の何かしらの変化でかなりバイト数は増えたものの、比例してバラシが多くなったことは明らかな事実・・。
このバラシ対策をあまり考えずに対馬に乗り込んだ結果、こうなった・・。
バラシに対する準備不足・・。
圧倒的な準備不足・・。
もっと対策をしておけば、取れていた可能性は高いだけに、それが分かっているだけに、凹む・・。
相当凹む・・。
相当凹んで、両ニキとK君を見送った後に友人KとF君とのエクストラ釣行が待っているのだ。
すでにメンタルはボロボロ。
しかし、せっかくの対馬・・。
最後まで駆け抜けてやる・・。
CONTENTS
対馬遠征⑧:エクストラナイトヒラ
夜に備えて、F君と共にひとっ風呂浴びる・・。
友人Kは家族とご飯を食べるとのことで、一度帰宅・・。
その間に、栄養補給も忘れない・・。
縁起を担ぎたくて、カツカレー・・。
明日はカツ!
本当はとんちゃん定食を食べたかったけど、藁にも縋る思いでカツカレーを注文した。
それくらいに、ボロボロなのだろう・・。
改めて思うが、遠征の時・・飯はたくさん食べておいた方が良い・・。
それくらいに、脳も身体もメンタルも存分に疲弊する・・。
疲弊した部分から徐々に抗えない程に枯れていく・・という考えでも良いだろう・・。
とにかく・・、気力が先行して見失いがちなそれらの枯渇を抑止する為にも、食べれる時に食べておいた方が良いと思う・・。
特にタンパク質・・。
電池切れの友人Kが少し充電されて遅れてやって来たので、3人でのナイトゲームがスタートする・・。
ごめん!
事切れてた!
1箇所目は小規模河川が絡んだテトラと常夜灯と流れが絡んだ港湾部・・。
水質はクリアで流れは激流・・と言っても良いだろう・・。
福岡で同じような小規模河川のナイトゲームを経験しているから応用が効くだろう・・と思わない方が吉・・。
なにせ、このクリアな水質と流れは間違いなくルアーが見切られやすいだろう・・。
最初のルアーは弾丸ソバット80・・。
友人Kからはミノーを推奨されたけど、クリア=リアクションの釣りだと思うので、超早巻きでも破綻せず且つ小粒感のソバットでやってみるも不発・・。
遠回りにシンペンもやってみるも反応なし・・。
やむを得ず、ミノー・・sasuke140裂波を選んだら、まさかの第1投目でバラシ・・。
参りました・・。
降参宣言して、友人K仰せの通り良さげなミノーを選んだ時点で時合い終了・・。
しばらく粘ったものの反応を取れないため、ポイント移動することになった・・。
次はマル狙うぞー!
おぉーーーー!
対馬遠征⑧:エクストラナイトマル
着いたよー!
そこは、流れの欠片すら感じさせない澱んだ漁港・・。
水面には船のエンジンオイルなのかよく分からない油膜が動かずに停滞している・・。
博多湾でいうところ、どん詰まりのCの港・・。
その澱みは生命感の気配さえも掻き消す・・。
あのー・・。
ここでやるんすか?
うん!
多分いると思うんだけど・・。
本来・・すぐにロッドを出してアジャストするべくアプローチしていくんだけど・・さすがに無理だろ・・という先入観が邪魔をする・・。
というか、そもそもこんな流れのない場所にマルスズキ・・いるのか?
友人Kが準備しているなか・・準備をせずに常夜灯の明暗の暗部の様子を眺めていたらベイトはいる・・。
そして、スゥーっとブラックバスみたいな感じでスズキが表層を回遊している・・。
おめぇ居るんかぃ!
福岡では頂点ばりに悠々と泳いでいるスズキだが、対馬ではそうはいかないらしい・・。
こんな流れのない僻地に追い込まれて・・。
可哀想な気持ちになりながらも観察を継続してみるに、ベイトをこぞって捕食している様子・・ではないものの、暗部の面を自由に回遊している様子は意外に活性は高いのかもしれない・・。
よしゃ!
準備出来た!
準備が整った友人Kに明暗部を並行に引いてもらうように依頼しつつ、ライキリの動きを見ていたら、デカいヤツと小さいヤツがライキリを追尾・・。
ただ・・お互いに牽制し合ったのかバイトには至らず・・。
続いて、ライキリからブローウィン80Sにチェンジした友人Kが別の明暗を引いたところ、2尾が追尾・・しつつ完全に捕食スイッチの入ったスズキが猛烈に接近している・・。
あーコレ・・食うと思う!
全然見えんのやけど!
喰った!
え??
来た!!!
なんと、共同作業でツシマルゲット!!
30後半の男2人がキャピキャピしながら陸をバタバタしていたけど、車内で微動だにしないF君(笑)。
その後・・ちょっと仮眠して、場を休めてもう一度釣って・・。
対馬遠征最後の磯へ繰り出すのでした・・。
対馬遠征⑨:エクストラ磯ヒラ
もう最後のフィールド・・。
この浅過ぎる超絶ハードな地形も・・。
難解なアプローチも・・。
数多の迷走した思考も・・。
後悔はないように楽しまなくては・・。
全てを出し切るつもりで良い・・。
燃え尽きたって構わない・・。
今・・自分が発揮出来るもの全てを賭してヒラスズキを狙いたいと思う・・。
初手はコモモⅡ・・。
あれだけ、コモモⅡで釣った実績があるのに、対馬で散々投げてこれだけ反応がないとなると・・対馬に向いていないルアーなんじゃないか・・と考えてしまって、信頼が揺らぐ・・。
でも、巡り巡ってそれ以外のルアーはもっと信頼がないという事でもあるので、脳内・・グチャグチャではあるが、自分を信じてやっていくしかない・・。
その3投・・。
白銀の背ビレが水面を割るも誤爆・・。
なぁーーーー!!!
時間がない・・。
先へ進む・・。
昨年・・ヒラスズキをキャッチした場所に入る・・。
あの時、釣ったヒットルアーのトライデント130Sは昨日の第1投でタマンにやられて今はない・・。
使い込み過ぎて、それ故に使いやすくなってしまったsasuke140真裂波もタマンにやられて今はない・・。
この2つをロストして、前衛を務めるメインの手札を失った瞬間に詰みではあるんだけど・・。
2〜3投してはルアーチェンジを繰り返しつつ、少し粘り気味で思考を再構築しつつ立て直すも反応なし・・。
奥に入った友人KとF君・・。
これで、3人でフレッシュな場所は撃ち尽くしたと考えて良いだろう・・。
詰んだ・・。
諦めてはいないが、走馬灯のように数多の記憶が蘇っては消えていき、満たされた気持ちでいっぱいになった。
友人Kがメタシャを使って僕が散々投げた場所からヒラゴを出した・・。
つまり、この海もそういうこと・・。
青物がサラシの中を闊歩している状況の中でヒラスズキを出さないといけないということ・・。
タイムアップ・・。
悲しみよ・・苦しみよ・・痛みよ・・気持ちよさよ・・ありがとう・・。
対馬よ・・。
希望通りのエクストラハード設定をありがとう・・。
正直・・皆には申し訳ないが小潮を選んで本当に良かった・・。
次はいつになるか、定かではないが、またメンタルを高めて、メソッドの1つや2つ覚えて、また戻ってこようと思う・・。
それでは、また今度・・。